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Salve Regina


ルターは「鐘の音と『サルヴェ・レジーナ』は至る所で響きわたる」と、聖母生誕日の説教で述べたほど『サルヴェ・レジーナ』は広く歌われていた。


詩はヘルマヌス・コントラクトゥスによる。オリジナルの音楽は失われたと考えられ、12世紀のアキテーヌに遡る第1旋法の音楽と、16世紀に遡る第5旋法によるものの二つが特に知られている。


ヘルマヌスの時代の写本、CLM4452


第1旋法の『サルヴェ・レジーナ』Liber Usualis 276

おそらく1080年頃に作曲されたと考えられ、1135年にクリュニーで典礼に用いられていたことが確認されている。1230年にドミニコ会で用いられた。


第1旋法の『サルヴェ・レジーナ』


第5旋法の『サルヴェ・レジーナ』Liber Usualis 279

16世紀に遡る。最も知られたメロディ。


第5旋法の『サルヴェ・レジーナ』


もう一つ面白い音楽がある。シャンティイ美術館が所蔵する12世紀の写本(Chantilly, Musee conde ms. XVIII b12)はエルサレムの聖墳墓教会由来でテンプル騎士団の典礼に使われたと考えられている。この写本の中に『サルヴェ・レジーナ』が含まれ、流布した音楽とかなり違っている。CD『テンプルの聖歌』で聴くと、歌っているのがアンサンブル・オルガヌムなので、余計違って聴こえる。東ローマとアラブとラテンヨーロッパの音楽が渾然一体となったような音楽である。


この挿画も東ローマと西ローマとヨーロッパが一体となっている


Insula Felixには、これまでほとんど知られていない、オットーボイレン写本に基づいた音楽が収録されている。こちらのほうが年代的にも地域的にも、よりライヒェナウに近い。しかも、音楽そのものが他のヘルマヌスの作品と共通する部分が多い。


『サルヴェ・レジーナ』はこれまでクレルヴォーのベルナルドゥスやル・ピュイ司教アデルマールに帰属されたこともあったが、オットーボイレン写本の存在はヘルマヌスのほうに可能性が高まった(Morentは慎重にもアトリビュートについて?をつけている)。


マリア崇拝者としてのヘルマヌス

14世紀初頭、ザンクト・ミヒャエル教会、フェリンゲンドルフ


セヴラック、声とヴァイオリンとオルガンによる『サルヴェ・レジーナ』


セヴラックの『サルヴェ・レジーナ』を一度聴いてみたい。


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  • 2019.06.28 Friday
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