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ゲノフェーファの登場人物:ゴロー


「馬に乗り、手に鷹を載せたまま大地のかなたへ飛んで行った」ゴローは永遠にアイフェルの森を彷徨っているかもしれない。ヴィクトル・ユゴーは「ライン紀行」の中に、夜中に物凄い速さで空をかけていった馬の話を載せていた。


ハイスターバッハのカエサリウスが記録した奇跡譚はヘッセも愛読して、その中のいくつかをドイツ語に訳した(そのまた一部が日本語に訳されている)。その中にゴローとそっくりの若者の話が収録されている(以下、『ヘッセの中世説話集』、林部圭一訳、白水社)。


ある若い騎士が、さる富裕な騎士の家で暮らしていた。つまり、富裕な騎士は若い騎士の主人であった。若い騎士は、若い盛りであったが、それにもまして純潔の徳でも秀でていた。しかし、妬み深い悪魔のせいで、若い騎士は、主人の妻にたいしてはげしい横恋慕を感じるようになってしまった。一年間苦しんだ後、夫人に打ち明け、拒絶された。


若い騎士は、ある隠者のもとに出かけていって告白し助言を乞うた。隠者は「今年中ずっと、できれば毎日最後の日まで、教会で百回、わが主なる聖母さま、聖処女マリアさまに、天使の歌をうたってさしあげ、同じく百回ひざまずいてご挨拶申し上げるのだ。そうすればマリアさまがそなたの願いをかなえてくださるだろう」と答えた。


若者はこの定められた礼拝を、じつに素直に、聖母さまのためにおこなった。一年最後の日になっていつもどおりお祈りをして教会から出ると、人間とは思えないほどたいそう美しい女性がいた。彼女は若者に「あなたの妻になりましょう。これこれの日にわたしの息子の前で結婚式を挙げることにしましょう」。


若者は、その人が聖母さまであることがわかり、それからというもの、くだんの誘惑から完全に解放された。


そして、定められた日、若者は断末魔の苦しみに陥り、息を引き取った。そして約束の結婚式を挙げるために、天国の住まいに入っていった。


ゴローの後半生はどちらだったか?


聖母子像(マリア・ラーハ、17世紀)


「息子の前」での結婚、マリア・ラーハ


「ゴローの十字架」

伝説でゴローが処刑されたという場所に立つ(wikipedia.de)


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  • 2019.06.28 Friday
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